

今回お話を伺うのは、東京都台東区にある株式会社SPARKRAFT(以下:スパークラフト)様と、株式会社AOI(以下:アオイ)様です。
映像制作を専門とするスパークラフトと、2Dデザインを専門とするアオイは、同じビルの同じフロアにオフィスを構えています。
遊技機メーカー様の要望を正確に汲み取り、期待値を超える完成品を目指す2社の強みや社風について、2025年6月末に移転したばかりの新オフィスで、株式会社SPARKRAFTの照沼様、株式会社AOIの飯島様にお話を伺いました。
(公開日:2025年8月27日)

- 株式会社SPARKRAFT 映像部長 チーフディレクター 照沼様
- 茨城県出身。専門学校卒業後にテレビの映像編集会社に勤務していたが、自分自身で映像を作りたいと考え、未経験から遊技機業界に転職。
前職で培ったエフェクト技術や、テレビ的な編集視点を強みに、現場から人材管理まで幅広い業務に携わる。

- 株式会社AOI 取締役CTO 兼 マネージャ− 飯島様
- 栃木県出身。専門学校卒業後は地元で、DTPオペレーター職として働く。
遊技機に魅せられて、愛知県内の遊技機メーカーに就職し、アートディレクターとして数々の名機を世に送り出す。10年前に、メーカーから独立し現在のAOIを立ち上げる。

- 佐藤 輝幸
- さんななキャリアエージェント
1988年生まれのAB型。福島県出身、IT系専門学校卒業。
趣味はゲームやアニメ、ライブなどのサブカル。
パチスロやパチンコは版権モノが好き。
最近は健康を意識し運動にも励んでいる。焼き魚が大好き。
武器は、高い専門性。一人ひとりにみなぎる、熱意と責任感。
今回は、映像制作会社のスパークラフト、そして2Dデザイン会社のアオイの、2社合同インタビューです。はじめに、スパークラフトとアオイの関係性について教えてください。
飯島様:スパークラフトとアオイは、同じビルの、同じフロアに本社があります。
2社の代表は同じ者が務めていますが、両社間に資本関係はありません。
両者の経営リスクを回避するため同じフロアに入居しており、現在のオフィスには2025年6月末に移転してきました。
それぞれの会社の業務内容は、スパークラフトが遊技機関連の映像制作、アオイが遊技機関連の2Dデータ作成です。
照沼様:資本関係はなく、業務内容も異なりますが、両社の間に垣根はなく、時々社員同士が談笑している様子が見受けられます。
新入社員歓迎イベントや、年末のイベントなど、一部のイベントは2社合同で実施します。
2024年度は、合同社員旅行として沖縄旅行を催行しました。
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2社合同で行う 新入社員歓迎会や沖縄への社員旅行(アオイ オフィシャルHPより)
現時点では、2社間で業務提携はされていませんか。
飯島様:現在は、個人レベルでの技術交換程度にとどまっていますね。
将来的には、お互いの会社の得意分野を活かし、クライアント様からの受注につなげたいと考えています。
照沼様:制作フローとしてはアオイは上流の工程、スパークラフトは下流の工程になりますが、将来的には合同でメーカーのニーズにフィットさせて仕事の枠を広げることができれば良いとも考えています。
オンオフのメリハリはしっかりと。若手が活躍できる会社を目指す。
それでは、両社の特徴や社風について伺います。
まずはスパークラフトの事業内容をご教示ください。
照沼様:スパークラフトの中心事業は、ぱちんこ・パチスロを問わず、遊技機全般の映像制作です。
映像企画・絵コンテやVコンテ・2Dや3Dのロゴ制作・オーサリングまで、遊技機の映像に関わる全ての作業が受注可能です。
その他では、一部、ソーシャルゲームの開発に携わる事業もあります。
社員数は何名ですか。
照沼様:若手社員を中心に、18名が在籍しています。
ぱちんことパチスロの担当を分けずに全員がどちらも対応できる体制を整えています。
エネルギッシュで明るい社員が多く、個性を大事にした楽しい雰囲気の中で、オンとオフのメリハリがはっきりした社風です。
会社として残業を推奨しておらず、定時(19時)の退社を基本としていることも、緩急をつけて仕事に集中できている要因の一つです。
業務の進め方は個人の裁量に任せつつ、残業のないように各々が進捗管理をすること、残業が必要な場合は上長の許可をとることを、徹底しています。
一人ひとりが責任感をもって、仕事に集中しているということですね。
照沼様:若いうちから責任感をもつという点は、会社として強く意識しているポイントです。
なぜなら、スパークラフトの社員の一人ひとりが、「言われたものをそのまま作る」のではなく、「こういうものが良いのでは」と提案できる力を身につけることが、会社の将来にとって大事だと考えているからです。
映像制作会社として、仕様書通りのものを納品する技術は必須ですが、例えばクライアント様が具体的なイメージをもたない場合でも、一人ひとりが提案できる力をもっていることは大きな強みになります。
一通りの業務ができるようになるまでに2年から3年ほどの年月が必要です。
社員一人ひとりが高い専門性を培うと同時に、提案力をもって仕事ができるよう、社内教育には力と時間をかけて取り組んでいます。
個の力を高めるための仕組みが整っていますね。
照沼様:今後の会社の目標として、映像制作の領域を遊技機にとどめず、ゲームをはじめとする様々な領域への進出があります。
現在はコンポジットと呼ばれる、最終映像構成業務がメインとなっていますが、業務領域を拡大するためにも、例えば3Dの小物などを素材ベースから作れるようにすることや、3Dのアニメーションを強化していこうという計画も検討し、大きく成長するため準備をしていきたいと考えています。
「期待以上」を目指し、高い専門性を活かす。
次に、アオイの事業内容を教えてください。
飯島様:アオイは、遊技機開発における2D制作に特化した事業を担う会社です。
2D制作のみを請け負う会社は、遊技機業界においてとても珍しいのですが、自分達の強みを120%発揮できる領域に絞って事業を展開しています。
確かに、2D制作特化の会社は珍しいですね。
飯島様:遊技機の2D制作領域と考えられる業務は一通り行ってきました。絵コンテから、映像内の素材制作、印刷物、回胴のパネルやリールなど、遊技機に関するデザイン全般を行っています。
近年では遊技機メーカー様から作画アニメもやってほしいという相談が増えてきたので、ご要望に応えるため今年から注力しています。
2Dプラス作画という範囲で、2D領域をすべて対応できるように展開を進めています。
そのほかにも、アニメ制作会社様からの依頼でトレーディングカードのイラストや、ソーシャルゲームのガチャ向けイラストの業務も一部行っています。
なるほど、そういった事業展開は創業から現在までどのような想いで進めてこられたのでしょうか。
飯島様:アオイは現在社員10名と、少数精鋭で2D制作に特化した会社です。
専門性の高い2D制作に特化したこと、および顧客満足度を重視したことが評価され、新たな事業への展開につながっていると感じています。
10年ほど前の立ち上げ当初は「期待以上」という理念を掲げ、「いただいた仕事に対して、期待以上の仕事をすることで、リピートにつなげよう」という意識を大切にしてきました。
現在でも事業領域を問わず、クライアント様の期待を超える結果を提供していく所存です。
とても大事なことですね。
飯島様:その一つとして、プロジェクト管理者や窓口担当などを設けず、デザイナー本人がクライアント様との打ち合わせに参加します。
デザイナー本人がクライアント様と会話をすることで、クライアント様の要望を直に汲み取り、クライアント様に対して提案がしやすい関係性を築くことができるので、クライアント様にとっても、デザイナーにとっても仕事の進めやすい仕組みです。
クライアント様から納品後の感想もダイレクトに聞くことができるので、デザイナーの大きなやりがいにつながり、次の仕事に対するモチベーションになります。
若いデザイナーでも、クライアント様と向き合って作業を進めていくのですか。
飯島様:年次の浅い社員であっても、極力前に出ていき、経験を積んでほしいと考えています。
弊社は20代の社員が中心の若さ溢れる会社ですが、一人ひとりが高い提案力と技術力を培えるように、入社後は先輩社員に対して1人、もしくは2人の新入社員がOJT形式で仕事を学ぶスタイルを基本としています。
デザイナーとして確かな技術を習得するのはもちろんのこと、多くの経験を積んで、クライアント様に寄り添うことのできるデザイナーへの成長を後押ししています。
社内の雰囲気について、教えてください。
飯島様:社員の仲が良く、和気あいあいとした雰囲気です。
前述の通り、アオイでは「クライアント様の期待を超える」という大きな目標がありますが、「クライアント様だけでなく、デザイナーも満足できる会社」という意識を、管理者としてもっています。
デザイナーが個々の能力を遺憾なく発揮できる環境になるよう、出社するのが楽しくなる場所であるよう、配慮しています。
社員が「自宅と、もう一つの作業部屋」という意識を抱き、社内でも自分の個性を思う存分に育んでほしいと思います。
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2025年6月に移転したオフィス 仕切りもなくコミュニケーションが円滑 (アオイ オフィシャルHPより)
個々の経験を活かして、若手に技術と想いをつなぐ
ここからは、照沼様と飯島様のご経歴について伺います。まずは照沼様から、お願いします。
照沼様:私が都内の専門学校を卒業後に入社したのは、テレビ番組の編集会社です。
主にバラエティー番組の編集を担当していたのですが、徐々に「他の人が撮影した映像を集めて編集するのではなく、自分で画から作りたい」という気持ちが強くなりました。
未経験からでもCG制作を担当できる会社を探すなかで、飯島がメーカー勤務時代に携わっていた会社に出会い、転職を決意しました。
私自身は遊技機で遊技した経験が全くありませんでしたので、全くの未経験からスタートでした。
遊技機の映像制作業務にしばらく従事した後、前職の知り合いから声をかけられたことがきっかけで一度テレビ業界に戻りましたが、不規則な勤務時間が原因で体調を崩し、退職に至っています。
その後、スパークラフトの代表から声がかかり、入社したという経緯です。
テレビ番組の編集会社での勤務は、大変でしたか。
照沼様:テレビ番組の編集は、締切がほぼ毎日あります。
映像が手元に届いてから、オンエアの時間までに必ず納品を完了する必要があるので、基本的には徹夜で作業をする環境でした。
遊技機業界においても、締切は必ずありますが、ある程度進捗管理ができるという点では、身体的な負担がとても少ないと感じています。
スパークラフトでは、どのような業務を担当していますか。
照沼様:映像部長として、社員の管理業務を担当する一方で、現場の映像制作にも携わっています。
テレビ番組的な編集の視点や、エフェクトの作り方、3D制作の技術など、映像編集会社で得た知識は、積極的に若手社員に継承しています。
飯島様のご経歴も、教えてください。
飯島様:私は埼玉県内の専門学校を卒業後、出身地である栃木県の企業で、4年ほどDTPのオペレーターとして勤務していました。
幼い頃から絵を描くことが趣味だったこと、大人になってから遊技機を楽しんでいたことがきっかけで、愛知県内の遊技機メーカーに、思い切って転職をしました。
遊技機メーカーに14年ほど勤める過程で、東京支社の設立に伴う異動や、子会社設立に伴う担務変更などがありましたが、主に担当していたのはデザイン業務です。
今から10年前に、アオイの創業メンバーとして独立して以降、社名や企業形態の変化はありましたが、今はアオイの役員として、また開発責任者として、現場管理と人材管理を担っています。
飯島様は、遊技機業界で四半世紀ほどの経験があるということですね。
飯島様:特段、専門学校等で遊技機デザインの勉強をしたわけではありませんが、デザイナーとしての経験や、業界遍歴に対する知識はありますので、照沼同様に若い世代に対する技術継承には惜しみなく取り組んでいます。
未経験でも大歓迎!人としての大きな成長を後押しします
具体的に、現在募集している職種について教えてください。
まずはスパークラフトからお願いします。
照沼様:スパークラフトで募集しているのは、AEコンポジッターです。
現在の社員全員がAEでのコンポジット業務がメインであり、3D制作が必要になるのは、一部の業務に限られます。
そのためスパークラフトでは、まずはコンポジット業務をメインで担当できる方を募集しています。私自身が、遊技機業界未経験者という状態からキャリアをスタートさせていますし、未経験でも遊技機や映像制作への情熱があればしっかりサポートさせていただきます。
アオイで募集中の職種はいかがですか。
飯島様:アオイが現在募集している職種は2Dデザイナーと、展開を強化している、アニメディレクターやアニメ作家候補としての活躍を希望する方を募集しています。
遊技機業界でご経験をお持ちの方はもちろん、未経験の方でも、ゲームデザインの経験や、印刷物のデザイン経験など、遊技機業界以外でのキャリアを持つ方でも歓迎しています。
最後に求職者の方へメッセージをお願いします。
照沼様:大事なことは、「映像が好き」という気持ちと、「映像を作りたい」という情熱だと考えています。映像に対して情熱があれば仕事は覚えられると思いますし、たくさんの映像をみてきて、何が好きかということをしっかり発信できる方はセンスも磨かれていくと思いますので、そういった方とお会いしてみたいですね。
飯島様:アオイは社内のコミュニケーションを大切にしています。そのためテレワークは無く出社限定としていて、社員全員が情報を共有して一体感をもって仕事をすることを大事にしています。コミュニケーションを大切にして、全員で切磋琢磨しながら共にスキルアップしていく、そういった過程を楽しむことのできる方のご応募をお待ちしています。