今回ご紹介するのは、東京都港区芝浦に本社を構える、株式会社アカギです。
遊技機開発の工程のなかでも、特に企画プロデュースに強みをもつアカギの社風や今後の目標を、執行役員でチーフマネージャーの大場様に伺いました。
(公開日:2024年12月19日)
- 執行役員 大場様
- ホテルやぱちんこホールで社会人としての経験を積んだ後、代表取締役からのスカウトを受けて、2013年にアカギに入社。
入社以来、企画業務を担当しており、2022年からは企画と兼務する形で営業業務も担当している。
- 佐藤 輝幸
- さんななキャリアエージェント
1988年生まれのAB型。福島県出身、IT系専門学校卒業。
趣味はゲームやアニメ、ライブなどのサブカル。パチスロやパチンコは版権モノが好き。最近は健康を意識し運動にも励んでいる。焼き魚が大好き。
自分たちの感性を信じて。「面白い!」を追求する会社
はじめに、アカギの事業内容について教えてください。
大場様:弊社は遊技機開発全般を中心事業としていますが、遊技機開発の工程の中でも特に企画プロデュースのほか、制作進行管理、演出仕様書、抽選仕様書、サブ仕様書(振り分け込み)の作成。
演出提案に特化した映像ディレクション、試打による振り分け調整や各種修正項目を洗い出す「試打後調整」などお客様のニーズに応じて幅広く対応しております。
創業当初はぱちんこのみを対象に事業を展開していましたが、2021年からはパチスロへも展開を広げ、現在はぱちんこ開発とパチスロ開発の受注比率が、ほぼ5:5です。
2012年に創業と伺いましたが、経緯についてお伺いできますか。
大場様:遊技機メーカーでプロデューサーだった弊社の代表が、「もっと自分が面白いと思う遊技機を作りたい」、「遊技機業界に新風を巻き起こしたい」という想いで創業したそうです。
代表と、もう1名のメーカー出身の社員のみで、マンションの1室から事業をスタートしたと聞いています。
現在は従業員数が12名まで増え、そのうち8名が企画を担当しています。
ありがとうございます。「アカギ」という社名は、どのような由来があるのですか。
大場様:弊社の代表が群馬県の出身で、地元で有名な「赤城山」から名前を取ったと聞いております。
命名した時は全く想定していなかったのですが、「アカギ」の名から麻雀を連想される方が多く、現在では社名ロゴや名刺にも、麻雀牌のデザインを取り入れています。
赤城山から命名されているとは思いもしませんでした。ロゴデザインに麻雀牌の要素を取り入れているのも独創的ですね。それでは経営理念についても教えてください。
大場様:「ぱちんこを一歩先のエンターテインメントへ」という理念を掲げています。
弊社の代表が「もっと自分が面白いと思う遊技機を作りたい」という想いで創業したとお伝えしましたが、ユーザー様にアツくなってもらえる、心から楽しんでもらえる遊技機を開発したいという熱意を持って、全社員がまい進しています。
現在の市場にない新しい面白さを創造することをめざし、ユーザー様に近い立場から企画、立案していけるよう「企画専門」という形態で業務を請け負っています。
遊技機業界において、「企画専門」という会社はとても珍しいですよね。
大場様:かなり珍しいと思います。
私が把握している限りでは、東京に数社程度です。
特に弊社では、企画に特化したスタッフが、メーカー様の「専属アシスタント」のような形で業務を請け負っています。
1つの機種開発に限定して受注するのではなく、半年や1年という単位で「専属アシスタント」としてお付き合いをしていくなかで、よりメーカー様の思いを汲み取り企画プロデュースをするために、このスタイルを提案しています。
企画プロデュース以外にも、演出提案、演出仕様書作成や映像ディレクションの手伝いなど、メーカー様が必要としていることはなんでもアシストしながら、関係を築けていくことができることが、アシスタント制のメリットだと考えています。
弊社としては深いお付き合いを通してメーカー様や担当者様の求めることを学び、企画内容に反映させることができますし、メーカー様にとっては人員が1人増えたイメージでお付き合いができるので、双方にとってwin-winな関係が築けています。
とても興味深い受注形態ですが、「派遣」や「出向」とは異なるのでしょうか。
大場様:業務形態としては、「派遣」や「出向」とも共通点は多いです。
大きく異なるのは契約が「案件」に限定されない部分と業務範囲が非常に幅広く対応できる部分かと思います。
1機種の制作進行を行いながら、開発終盤では次に立ち上げる企画のお手伝いをしたりと、融通が利くのがこのアシスタント制のメリットと考えております。
また、幅広い業務に対応できるのは長年遊技機業界で活躍して人員が弊社には多く在籍しているからです。
「開発会社でありながら、メーカー担当者様の業務も理解している」
この部分は弊社の強みであると考えております。
なるほど。遊技機好きの方が多いとのことですが、その他に社風や、社内の特徴などがあったら教えてください。
大場様:平均年齢は約36歳で、やはり「遊技機好き」という共通の趣味があるので、全員の仲が良い職場です。
かなり自由な社風で、「お客様からの評価」という形で成果を出すことができれば、働き方は個人の裁量に任されている部分が大きいと感じています。
なぜならば、弊社では遊技機の「企画プロデュース」を専門に事業を展開していますが、企画のアイデアは、会社でデスクに座っている時間に生まれるものではなく、入浴中や散歩中など心身がリラックスしている状態の方が思いつきやすく、一番はやはり「ぱちんこ、パチスロを打っている時」です。
もちろん、アイデアを企画書にまとめたり、メーカー様との打ち合わせに出席したり、といった時間は必要ですが、それ以外の時間はある程度の自由の中で、「ユーザー様をどうやってドキドキさせるのか」、「どんな方法で『面白い』を追求しようか」と思いを巡らせる時間を作るために、自由度が高くなっています。
勤務形態においても出社が必須ではないので、7割の社員はリモートで仕事をしています。
北海道に滞在している社員や、大分県にいる社員もいますし、私自身も現在は愛知県名古屋市在住で、月に2回ほど上京するスタイルで勤務しています。
自己管理のなかで、自由に働くことができる職場なのですね。
大場様:自ら積極的に次の仕事を探したり、市場のニーズ、お客様のニーズを探したりできるような人が弊社には向いているかもしれませんね。
もちろん、細かい指示を受け、その中でベストを尽くしていただける様な方でも働ける環境は整えています。
現在の遊技機業界では、「本当に見たことがないもの」や「全く新しいもの」を生み出すことは非常に難しいので、既存のアイデアを足し算や掛け算で組み合わせて個性を出す必要がありますし、何も思いつかなくてもスケジュールは守らなくてはならないため、次々と企画を出し続ける悩みや苦労は尽きません。
ただ生みの苦しみを乗り越えて、お客様に納得していただき、その企画が市場での高評価を受けたときの喜びは計り知れないものがあります。
とは言いつつも、アイデアが出ない時は出ないので、困った時は社員同士助け合いながら楽しく働いています。
メーカー様によっても、企画プロデュースに求める内容に対して違いがありそうですね。
大場様:メーカー様や担当者様ごとに、「面白い」と感じる提案内容や、遊技機開発の過程で優先したい部分(金額面や納期など)は異なります。
メーカー様や担当様の意図を汲み取りながら、内容の深い企画書を1本提出するケースや、いくつもの企画案を提示するケース、また現行機種とのデータ比較による説明資料とともに企画を提案するケースなど、臨機応変に対応するのが、弊社のスタイルです。
企画内容を調整する上では、一歩先を見据えたアカギのオリジナリティを加えることを徹底しており、まだ市場にない「面白さ」を提案しています。
時代の変化と共に。多角的な面白さで最先端の「面白い」を追求
次に、冒頭でも少しご説明いただいた、ぱちんこ・スロットの受注状況についてお聞きします。改めてお伺いしますが、創業当時はぱちんこのみを企画プロデュースしていましたよね。
大場様:弊社代表が前職で担当していた業務内容がぱちんこの企画プロデュースだったので、2012年の創業から2020年までは、ぱちんこの企画のみを受注していました。
その後、コロナ渦の2021年にパチスロの企画に挑戦するご縁をいただき、それ以降パチスロの受注も徐々に増えてきました。
特にコロナ渦以降の市場では、スマスロが急速に普及したので、パチスロの企画需要は年々高まる一方です。
企画メンバー8名のうち、3名はほぼパチスロに注力しています。
ぱちんことパチスロでは、開発内容に大きな差があるのでしょうか。
大場様:おおまかな流れは同じなのですが、細かい部分での差があります。
例えば、ぱちんこは「尺(時間)」で管理されているので、その範囲であれば映像制作における自由度が高い事が特徴です。
ただし、一度決めた尺を後から変更をしたり、スペック自体を変更するのは、かなりのコストがかかります。
パチスロの場合は演出の尺は自由なのですが、ユーザー様によってキャンセルも出来てしまうので、必要な情報を最低限の時間で伝える工夫などが重要だったりします。
ただ、どちらにも共通していえるのが、演出の「温度感」が非常に重要で、熱い時はしっかりと演出を魅せる、そうでない時はあっさりとストレスのたまらない演出をだす。
このあたりは共通している部分かと思います。
従来のパチスロは、あっさりした演出が好まれる傾向にあったのですが、近年はぱちんこのような派手な演出の需要が高まりつつあります。
弊社では、これまでぱちんこの企画で培ってきたスキルをパチスロにも活かしながら、それぞれのメーカー様の求めるクオリティに対して、アカギが考える「面白さ」というエッセンスを加えながら、企画内容を考案しています。
興味深い内容のお話です。今後の事業方針としては、引き続きぱちんことパチスロにおいて、より面白い企画プロデュースの提供を続けるスタイルでしょうか。
大場様:はい、引き続きぱちんことパチスロの企画プロデュースに特化して、アカギの考える「面白い遊技機」を世に送り出していきたいと考えています。
さらに、年々高まるハイクオリティな映像に対するニーズに応えるべく、次々に新しいものを創出することのできる映像ディレクターの人員も増やしていきたいです。
ぱちんこもパチスロも、そして企画も映像も、アカギの考える面白さを追求することで、よりユーザー様の評価や、メーカー様の満足度を高めること、遊技機業界におけるアカギの地位を確立することを、今後の事業方針としています。
遊技機好きが、輝ける場所
ここからは、大場様の入社の経緯についてお伺いします。大場様は入社前、ぱちんこのホールでマイクを握っていたとお聞きしました。
大場様:私は東京都出身で、大学を卒業してからホテルマンとして勤務した後、ぱちんこホールで働いていました。
常連のお客様との信頼関係を築きながら、マイクパフォーマンス等の業務を担当するなかで、弊社の代表から声をかけられ、創業2年目の2013年に入社しました。
全く異業種からの転職で、企画の経験はない状態からのスタートに、不安はありませんでしたか。
大場様:遊技機は大好きだったので、「ぱちんこってどうやって作るんだろう」、「なんだか面白そうだな」と思い、迷いなく入社しました。
当時は「筐体役物」と呼ばれる、派手な演出が特徴のぱちんこが次々と登場し、市場を席巻していたので、実際に自分が遊技した演出やギミックを参考に、見よう見まねで企画を考えていました。
当時の先輩社員がメーカーの出身者だったので、遊技機の企画の作り方や提案書のまとめ方を懇切丁寧に指導してくれたおかげで、企画能力を身につけることができたと思います。
代表の松岡様からは、どのようなことを学びましたか。
大場様:「優秀な企画者」としてのマインドを知ることができました。
遊技機に限ったことではありませんが、「好き」という気持ちの大きさだけでは、ユーザー様から評価につながる成果物を生み出すことはできません。
遊技機に対する愛や原作に対するリスペクトを第一に企画考えること、揺るぎない自信を携えて自分の企画を押し通すエネルギーをもつこと、そして自分の軸を貫くために周囲の環境を整えておくことなど、企画者としてあるべき姿や情熱を代表の背中から学ぶことができました。
今でも、企画等を考える時はそのマインドを持ち続けています。
ちょっと代表を褒めすぎですかね?(笑)
先輩社員をはじめ、現在の仲間たちと出会えたからこそ、未経験でも今までこの業界で働けている自分があると考えています。
今まで一緒に働かせていただいた、各企業のみなさまも含め、自分は本当に人の出会いに恵まれていると思います。
感謝しかないですね。
大場様以外にも、異業種からの転職で活躍されている方が多いと伺いました。
大場様:異業種からの転職組であっても、「遊技機が好き」という気持ちを持っている人、そして「しがみついて、諦めない人」が活躍できる職場です。
諦めずに取り組む力があれば、先輩社員が実務を、代表が企画者としてのマインドをしっかりと教えてくれる恵まれた環境ですので、安心してください。
- ホール出身の大場様だけではなく、Webサイト運営の出身(右)や遊技機雑誌の編集出身(左)など様々な経歴をもつ社員が活躍中
ありがとうございます。大場様は現在、企画と兼務して営業も担当していますね。営業としては、どのような活動をされていますか。
大場様:2022年より、代表の業務を一部引き継ぐ形で、営業としてメーカー様に伺っています。
弊社の強みであるアシスタント制や、「面白さ」を追求した企画プロデュース力をご案内しながら、「どうしたらメーカー様がアカギに発注したくなるのか」、「確固たるアカギの地位を確立するにはどうすればいいのか」について考えながら、メーカー様とよりよい関係を築くことができるように活動をしています。
事業を展開するなかで、規模の拡大や売上のアップという点は重要な課題ですが、なによりも「経営理念を貫き、面白いものを創造すること」、「アカギの原点は企画プロデュースであること」を念頭におき、事業の安定と拡大に寄与していくことが責務であると感じています。
「新しい面白さ」を創造する仲間を募集中!
それでは最後に、採用についてお伺いします。現在の募集職種について教えてください。
大場様:弊社が現在、採用に力を入れていきたいと考えているのは、「企画プロデューサー」と「映像制作デザイナー」です。
これまで以上にメーカー様に寄り添った提案ができるよう、更なるアシスタント制の拡大を目指す上で、企画プロデュースや映像制作に興味がある方と一緒に働きたいと思います。
採用にあたって、条件はありますか。
大場様:遊技機業界での経験は不問ですが、「遊技の経験がある」、「遊技機が好き」という点は重視しています。
遊技機業界の特徴として、繁忙期は勤務時間が長くなったり、残業が発生したりすることは避けられません。
スケジュールが立て込んでいる忙しさを乗り越える原動力となるのは、遊技機に対する愛や熱意に他なりませんので、遊技機に対する興味・関心が、採用における一番重要なポイントです。
それぞれの職種別で言いますと、まず企画職に求められる能力は、自身のやりたい事がある事、市場のニーズ、お客様のニーズを汲み取る力です。
一言でコミュニケーション能力と言われますが、相手の困っている事、求めている事を見抜く能力、これって相手に興味をもてるかという事だと思うので、人が好き、人を喜ばせるのが好きという方はこの職業に向いていると考えています。
遊技機に関する詳細な知識は入社後に習得すれば問題ありませんので、わからない事は「素直に質問できる人」、「自分の考えを柔軟にアップデート出来る人」、なにより「ぱちんこ、パチスロを大好きな人」を募集しています。
映像制作においては、最低限の技術をお持ちの方、映像制作に対する興味や集中力を強く持っている方を募集しています。
企画職と同様に、遊技機業界特有のナレッジは、入社後に学んでいけば問題ありません。
「ちょっと挑戦してみよう」という軽い気持ちで構いませんので、今の遊技機市場に足りていない「面白さ」を一緒に追求し、形にしていきましょう。